朝鮮紀行―英國婦人の見た李朝末期 (講談社學術文庫) (文庫)

???本書は、著者が1894年から1897年にかけて、4度にわたり朝鮮を旅したときの紀行である。?時の東アジアは日???前後の激動の時代で、朝鮮半島においても各?の思惑が入り?れ、著者自身幾度か謁見したことのある閔妃が殺害される事件も起きている。 ???そんな??と政?の中ではあるが、旅をする著者の視線の多くは庶民の日常生活と豊かな自然に注がれている。交通事情が劣?なために、快適な旅とはいえないことに遭遇することも少なくないが、60代とは思えないパワフルな活動力でそれを?り越えていく?は痛快ですらある。 ????時の朝鮮はまた、開?間もない時期であり、外?人に?する偏見も根?く?っていた。ただ、それだけに?統的風土?民俗?文化等が色濃く?り、特に本文中2章を割いているシャ?マニズムについては著者自身も大きな?心を抱いたようで、???いのプロセスを延?と紹介している部分もある。これらの?承は記?としては?りにくいものであるから、貴重である。 ???時代が時代であるだけに、日本人についての記述も少なくない。著者自身は日本を先進?入りしつつある?、と認識している?子で、朝鮮に?する影響力を徐?に?めていることに?しても、帝?主義が?然の時代とはいえ、淡?と描?している。ただし、秀吉による侵略以?の「恨み」については何度も語っているので、朝鮮人の反日感情は、著者の目にもあからさまのものだったのだろう。 ???この時期の朝鮮について、政治的な思惑なしに、これだけ?範?のことを記述したものはほかにない。それだけに、資料としての?値の高さがあるとともに、素顔の朝鮮があざやかに見て取れる名紀行でもある。